民間薬として親しまれてきた紅麻茶(こうまちゃ)
代用薬としての紅麻茶(こうまちゃ)
中国北部のお茶の木の少ない地域、たとえば河南省・山東省・河北省などでは数百年以来、紅麻の葉をお茶の葉の代わりとして利用する習慣があった。
西暦1400年頃の中国が明(みん)の時代の本草書『救荒本草』に書かれている、沢漆の項に「若葉を摘んで蒸したのち、天日で乾燥し、茶として飲むもよし」と記載されている。紅麻のお茶は、その味において本物のお茶とほとんど違いがないため、このような習慣が根付いたようだ。
紅麻(こうま)のお茶を薬として利用していた
紅麻のお茶を飲み続けていた昔の中国の人たちは、日常生活の体験から、紅麻のお茶に鎮静作用や強壮作用(身体またはその部位、器官を強化・活性化させる作用)などがあることを発見していた。
例えば、暑い夏に激しい労働をする農民たちは、紅麻のお茶が身体の熱をとってくれたり、めまいを防いでくれたりすることを経験的に知っていた。
このようなことから、紅麻のお茶は何百年にも渡って、熱さまし・のぼせ・めまいなどの民間薬として、多くの人たちに利用されてきた。
現在でも愛飲される紅麻茶(こうまちゃ)
中国で何百年も前から愛飲されているが、現在も変わらず飲み続けられている。中国のある市の軽工業研究所の調査によると、1つの人民公社内で1週間に消費される紅麻茶は、500㎏以上にもなるという。このように、紅麻のお茶には、民間薬として親しまれてきた長い歴史があるのだ。